「支部医療安全交流会」開催報告書 |
|
掲載日 |
: |
2016/01/05 |
掲載者 |
: |
大阪府看護協会医療安全委員会
委員 寺岡 雅恵
委員 上田 真愉未
|
|
下記の通り、「支部医療安全交流会」を開催しましたので報告します。
開催日時
|
平成27年 12月15日(火) 15:00 〜 16:40
|
開催場所
|
市立豊中病院 5階 研修室
|
参加施設名
|
市立豊中病院 大阪脳神経外科病院 豊中渡辺病院 東豊中渡辺病院
協和会千里中央病院 済生会吹田病院 済生会千里病院 箕面市立病院
彩都リハビリテーション病院 照葉の里箕面病院 箕面正井病院 さわ病院
マックシール巽病院 市立吹田市民病院 豊中緑ヶ丘病院 市立池田病院
大阪警察病院(他支部からの見学)
計 16施設 20名
|
議事内容
|
-
状況
マーキングを必須とする施設…4施設、必須でない施設…16施設
-
マーキングをする理由と運用状況
- 眼科の手術の際、手にマーキングをしている。
- リストバンドに「みぎ」「ひだり」と書いて装着している。病棟で装着する時に、看護師2名でダブルチェックをして、手術の時に医師とともにタイムアウトで確認。
- Joint Commission International (JCI)の認定をとる上でマーキングは必須条件になっているため、院内で統一して実施している。マーキングをしないと手術室に入室できない仕組みにしている。
-
マーキングをしない理由と状況
- 黒い●を書いていたが、大きな「ほくろ」がある患者で左右を間違えそうになったことがあった。このケースは、タイムアウトで誤認防止ができた。以来、マーキングは必須とはせず、タイムアウトを有効な方法として採用している。
-
その他
- 診療科ごとにマーキングをするかどうかを決めさせている。
-
手術における患者家族待機のありかたについて
手術前に患者家族が来院するようにしているが、手術時間の変更に伴い連絡がつかない時など手術開始に影響を及ぼすことがある。各施設どのようにしているのか。
- 手術時における患者家族待機あり…20施設、なし…0施設
- 来院した家族にPHSをレンタルして必要時直接連絡をしている。PHSは内視鏡室や手術室で管理して、保証書を取り交わしている。
- 事前に、手術時間が前後する可能性、家族不在であっても緊急時は手術を開始することがあることについて説明しておく。
-
刑事訴訟法が適応される患者の情報開示について
患者情報の開示において、存命中の場合は基本的には本人の同意が必要である。しかし、情報開示をしないことが患者の不利になるようなケース(たとえば、患者に重度の疾患があり逮捕されたときのことを考えて事前に伝える必要があると考えるとき等)ではどうするか。
- 求めに応じて第三者に情報開示している病院もあるが、法的には強制力を持たない。却って、病院が情報漏えいで訴えられる可能性がある。病院の顧問弁護士に相談しながら対応することが必要。
- 患者にとって不利益にならない程度に開示する必要があるのではないか。医療安全管理者が対応するのではなく、渉外担当がする。
- 患者の同意が得られない場合でも、家族の同意を得ることが可能ならばそれも考慮する。
- 患者死亡の場合は、個人情報ではなくなる。その際は、文書ではなく電話での問い合わせにも応じるが、相手の確認のために電話を病院側からかけ直す。
-
プロポフォールの看護師取り扱いについて
一般病棟で、セデーション目的でプロポフォールを使用することを希望する医師がいるが、各施設ではどのようにしているのか。
- 一般病棟でプロポフォールを使用せざるを得ないことがあるが、原則的には使用中のプロポフォールの更新は医師がすることになっている。または、夜間更新がないようにコントロールを医師がしている。現実的には、医師が更新できないこともあり看護師がすることもあるが、初回(開始時)は医師が必ずしている。
- プロポフォールを使う患者はICUに入床するようにしている。
-
針刺し事故における職員への抗HIV薬の予防投与について
院内に抗HIV薬の在庫がない施設では、どのような体制がとられているのか。
- HIV陽性患者が入院したら、自動的に納品することになっている(ICTの常勤はない施設)。
- 予防投与について、院内のマニュアルでは大阪医療センターにタクシーで職員を行かせることにしている。在庫の問題のみならず、院外の対応に慣れた医師が対応する方が望ましいためそのようにしている。
-
医療事故調査制度開始後の状況について
-
医療事故調査報告状況
報告をした施設…なし
-
医療事故について院内での報告体制構築のための取り組み状況
- 24時間体制で医療安全管理者が連絡を受けている
- 夜間・休日の報告体制を整備した
- 医療事故調制度についての院内全体研修を行い、すべてのスタッフに周知した
- Eラーニングで医療事故調査制度についての理解を深めた
- 全死亡例の報告をしてもらい、紙運用の報告から電子運用に変更した
-
医療事故発生時の外部委員の在り方について
- 院内の合議で決める予定である
- センターに問い合わせて決める予定である
-
医療事故の現場の保存についての考え
- 看護協会作成の医療事故調マニュアルでは、「現場保存」のありかたについて詳細に書いてあるが、写真を撮るなどはあまり現実的でないケースもある。
- 原因がわかるような情報を残すことを指導している。状況に応じて写真撮影も必要。呼吸器や点滴ルートなど。現場のごみなどはそのまま置いておくよう指導している。
- いつまで状況を保存しておくかなどは、ケースバイケース。
-
院内での事故分析の方法について
事故分析のあり方について。よい方法はあるか。
- SHELL分析、RCA分析などがされている。
- 年間3事例の分析をすることが限界と言われているようだ。
- 業務もあり、積極的には分析をさせていない。負担がある。
- 個人の責任を追及することよりも、報告することを重視して関わっている。
-
他支部交流会に参加して
- 日時:平成27年12月15日(火)15:00〜16:40
- 開催支部・場所:府北西支部 市立豊中病院
- 参加委員の氏名・支部名:阪口貴之 市東支部
- 良かった点
・参加者が多いこと ・意見交換が充実していたこと
- 自支部にどのようにつなげていくのか
・参加人数を増やす対策 ・次回の検討内容を具体的に準備しておくこと(計画性を立てる)
*次回3月15日(火)15:00〜16:30
*次回の議題未定。議題があれば、市立池田病院 上田まで連絡下さい。
|
費用明細
|
なし
|
|